こんにちは!
今回は、「男子は青、女子はピンク」という社会通念を作った絵画を紹介します!
早速見ていきましょう!
青衣の少年
トマス・ゲインズバラ《青衣の少年》1770年
モデルは、裕福な金物商の子、ジョナサン・バトール説と、ゲインズバラの姉の子供、ゲインズバラ・デュポン説がありますが、正確にはわかっていません。
作品のサイズは177.8 × 112.1 cmとほぼ等身大です。
ヴァン・ダイクのオマージュ
アンソニー・ヴァン・ダイク《チャールズ1世の5人の子供》1637年
赤い服の子供が、後のチャールズ2世です。
ポーズや服の質感が似ていますね。
このヴァン・ダイク作品のオマージュなので、《青衣の少年》の服装は、絵が描かれた当時の人が見ると、「昔の服を着た少年」でした。コスプレです。
ピンキー
トーマス・ローレンス《ピンキー》1794年
モデルは、商人の子、サラ・モールトンです。
家族からピンキーという愛称で呼ばれていました。
なんと12歳という若さで亡くなってしまいます…!
この絵はその1年前に描いた作品です。
作品のサイズは、148 x 102.2 cmと、《青衣の少年》より少し小さめです。
2枚の絵の関係
元々は全く関係のない絵だった
2枚の絵は、アメリカの「ハンティントン・ライブラリー」という図書館+美術館になっている場所に所蔵されています。
ちなみにここの庭は、よく映画の撮影に使われています。定番の庭です。
2枚の絵は、同じ場所に飾られていることもあって、
「同じ画家が描いたんだな〜」とか
「同じ時代に描かれたんだな〜」とか誤解する人が多いそうですが、
別々の画家が描いた、全然関係のない作品です。
絵の中の服装でいうと、《青衣の少年》は昔の服を着ていて、《ピンキー》は当時の流行ファッションを身に付けています。
服装のスタイルでいうと150年以上離れています。(笑)
ハンティントン・ライブラリーで、向かい合って並べたことによって、対として考えられるようになりました。
「男子は青、女子はピンク」の由来?
昔は、男子がピンク、女子が青でした。
もしくは、性別によって色分けしませんでした。
それが変わったのは、1940年代に入ってからです。
この2枚の絵からアイデアを思いついたアメリカのアパレルメーカーが、「男子は青、女子はピンク」というマーケティングをうち、商品は売れ、大成功!
日本のアパレルもマネをして、「男子は青、女子はピンク」という概念が定着しました。
いろんなモノに使われている
この2枚の絵、お皿や複製画、トランプ、陶器で出来た人形など…いろんなモノに使われています。
それだけ需要があって、人気だということです。
アンティークショップに行く機会があれば、是非探してみてください!
映画にも度々登場している
この2枚の絵、アメリカの映画やテレビ番組に、しれっと登場していることが度々あります。
最近だと、映画『ジョーカー』で、ジョーカーの部屋にこの2枚の絵が飾られていました。
In Batman (1989 )a painting the joker has his eyes on is featured in The joker( 2019 ) pic.twitter.com/lMgjvBIWw9
— Movie Details (@moviedetail) January 28, 2020
ちなみに映画『バットマン』(1989年)でも、ジョーカーが美術館を襲撃する場面で登場しています。こういう遊び心すき!