ブリューゲル「農民の婚宴」を超解説!描かれた美味しそうな食べ物とは?

こんにちは!

今回は、ブリューゲルの「農民の婚宴」を解説します。

早速見ていきましょう!

農民の婚宴

ピーテル・ブリューゲル《農民の婚宴》1568年頃

田舎の農民の納屋で、人々がにぎやかに結婚式をおこなっている場面が描かれています。

それまで農民たちは、美化されて描かれることが多かったのですが、ブリューゲルは、農民一人一人の姿を描き分け、個性を持たせました。

 

頭に冠をつけて主役の席に花嫁が座っています。

当時の女性は、髪をまとめ頭巾で覆っていたので、髪をおろしているのは花嫁になったときだけだったそう。

 

壁には豊穣の印として、小麦の束を交差させて吊るしています。

花嫁は目立つ場所に座っていますが、花婿の姿が見当たりません。

どこにいるのでしょうか…?

 

一説によると、右側で皿を配っている赤い帽子の男性か、

 

左側でお酒を注いでいる男性ではないかといわれています。

というのも、当時の婚礼での花婿の役目の一つに、客の接待があったため、この絵でも花嫁の隣には座っていません。

他の説では、もはや絵の中に花婿は描かれていないのでは?ともいわれています。

というのも、古いフランドルのことわざで「自分の結婚式に出席できない貧しい男」というものがあるためです。

 

 

この食べ物が何なのかよくわかっていませんが、ヴライという当時のプリンのようなものか、ブレイという甘いおかゆだと考えられています。

当時は甘味が貴重だったこともあり、お祝いの日だからこそ食べられるご馳走でした。

手前の子供は皿までなめています。

 

さらにさらに、この食べ物を運んでいる2人の男性、なにかおかしいと思いませんか?

足元に注目すると…なんと足が多いんです!びっくり。

急に怖い絵に見えてきました…。

 

右端にいるこの男性は、村の領主とも、扮装して農村の婚宴にやってきたブリューゲル自身であるともいわれています。

ブリューゲルは、度々、農民の格好をして村の結婚式や祭りに紛れて楽しんでいたそう。


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