ホッパー「ナイトホークス」を超解説!ゴッホの絵との関係とは?

こんにちは!

今回は、パロディなどにもよく取り上げられる絵、ホッパーの《ナイトホークス》を解説します。

早速見ていきましょう!

ナイトホークス

エドワード・ホッパー《ナイトホークス》1942年

ニューヨークのグリニッジヴィレッジの一角の小さな食堂を描いた作品です。

絵が完成して数ヶ月以内に、シカゴ美術館が購入し、現在も同館所蔵です。

ナイト・ホークスってなに?

「ナイトホークス」は、夜更かしする人(night hawk)という意味です。

さらにこの言葉には夜鷹という意味もあり、女性の隣に座っている男性の鼻が、かぎ鼻(hawk nosed)で描かれています。

大きなガラスに覆われ、明るい人工照明に照らし出された店内と真っ暗な街路との対比、カウンターの1組の男女と背中を向けた男から、都会の孤独感が伝わってきます。

 

遠くから見てると気が付きませんが、

 

女性が何かを手に持っています。

サンドイッチを食べているようにも、紙を持っているようにも見えます。

彼女の赤い服と赤い唇が、絵の中のアクセントになっています。

 

1人で座っている男性の背中の影がなんとも寂しげ…。

蛍光灯の光と夜

この絵が描かれた頃に、蛍光灯が一般に広く広まりました。

蛍光灯は絵の中に直接描かれているわけではありませんが、深夜のカフェ全体を均一に照らす光として描かれています。

この青白くて温度がなく、人間味を感じさせない光と夜を対比させることによって、孤独感がいっそう強まっています。

元ネタ?

フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のカフェ》1888年

1942年1月に、ニューヨークのある画廊で展示された、ゴッホの不吉で表現主義的な上の作品に影響を受けたのではといわれています。

光の使い方や、疎外と孤独を主題としている点も類似しています。

また、ヘミングウェイの短編小説「殺し屋」から着想を得たとも考えられています。