トロイの木馬の悲しいストーリー エル・グレコ「ラオコーン」を超解説!

こんにちは!

今回は、エル・グレコの《ラオコーン》を解説します。

早速見ていきましょう!

ラオコーン

エル・グレコ《ラオコーン》1610-1614年

グレコの絶筆と考えられている作品で、宗教画ばかり描いた画家の最初で最後の神話画でした。

トロイア戦争の有名なストーリ「トロイアの木馬」が主題です。

ギリシャ側のわるだくみを見破ったトロイアの神官ラオコーンが、場内へ木馬を入れないようにと進言し、それに怒った女神アテナ海蛇を放って、ラオコーンと2人の息子を殺すシーンが描かれています。

 

ラオコーンと2人の息子が海蛇と格闘しています。

《ラオコーン像》紀元前160-20年頃

グレコは、この有名な作品からインスピレーションを受けて制作したと考えられています。

 

近づいてよく見てみると、意外にタッチが荒いことがわかります。

 

彼らの後ろには、中にたくさんギリシャ兵を隠しているトロイの木馬がいます。(ですが、ただの走っている普通の馬に見えます)

 

背景は、ストーリー的にはイリーアスですが、トレドの街が描かれています。

エル・グレコ《トレド風景》1599-1600年頃

グレコの《トレド風景》と同じような景色が描かれています。

 

右にいる宙に浮いているような謎の人物がいますが、誰で、何をしているのか未だにわかっていません。