こんにちは!
今回は、マグリットの「人の子」を解説します。
早速見ていきましょう!
人の子
ルネ・マグリット《人の子》1964年
マグリットが66歳のときに描いた作品です。
低い壁の前にオーバーコートと山高帽をかぶった男性が立っており、その向こうには海と曇り空が広がっています。
男性の顔は、宙に浮いている青リンゴでほとんど覆われています。しかし、男の目がリンゴの端から覗いているのが見えます。
よく見ると、男性の左腕が肘で後方に曲がっているように見えます。
この絵は、現実と非現実が交差するシュルレアリスムの世界を象徴しており、観る者にさまざまな解釈や想像を促します。
マグリットの作品は、現実の物体や風景を通して非現実的な要素を表現することで、観る者の心に強烈な印象を残すことが特徴的です。
この絵もまた、彼の独自の芸術スタイルを象徴する作品の1つであると言えるでしょう。
顔の前に〇〇シリーズ
ルネ・マグリット《善意》1962年
ルネ・マグリット《人の子》1964年
ルネ・マグリット《大戦争》1964年
どうしてこれが「大戦争」なのかというと、マグリットいわく「見えるものと隠されているものの戦争」だからだそう。なるほど。
ルネ・マグリット《見えないものの味》1964年
ルネ・マグリット《山高帽の男》1964年
パロディ作品
ノーマン・ロックウェルは、《人の子》のオマージュとして上の作品を制作しています。
顔をリンゴが隠すのではなく、顔がリンゴです。
トーマス・クラウン・アフェアー (字幕版)
映画『トーマス・クラウン・アフェアー』にも《人の子》が登場しています。
映画ではさらに、山高帽とトレンチコートを着た男性が多数登場するシーンもあります。