こんにちは!
白金台にある荏原 畠山美術館で開催中の「『数寄者』の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造」展に行ってきました。
早速見ていきましょう!
目次
「数寄者」の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造

チケットの価格と入手方法

オンラインチケット 一般 1,300円、学生(高校生以上) 900円、中学生以下 無料です。
当日チケットを購入する場合は値段が違います。高くなります。
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ロッカー
受付の近くに100円返却式のロッカーがあります。
音声ガイド
ありません。
写真撮影
本館は撮影不可、新館の杉本さんの展示エリアは1部を除いて撮影OKです。
「数寄者」の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造 構成

杉本博司氏ってどんなアーティスト?↓
数寄の心を、いまここに

茶の湯や美術で語られる「数寄者」とは、和歌や香、美術を愛し、こだわりを生き方にまで昇華してきた人びとのこと。

鎌倉から桃山、近世へと受け継がれ、近代には実業家たちが文化復興の担い手として「近代数寄者」と呼ばれるようになりました。

本展は、その数寄の精神を現代へとつなぐ試みです。

美術館の創設者・畠山一清(号:即翁)と、現代美術作家の杉本博司という二人の「数寄者」が、時代を超えて同じ場に出会うことで、伝統と創造の交差点を立ち上げます。
第1章 即翁 畠山一清の茶事風流
本館では、即翁が1954年に催した新築披きの茶会を手がかりに、茶の湯を実践の場として磨いてきた数寄の美意識を読み解きます。
自然光が静かに差し込む展示室には、その茶会に用いられた茶碗や香合、掛物、花入が配され、伝統に学びながらも自らの見立てで取り合わせた「使う美」の姿が浮かび上がります。
朝鮮時代の重要文化財《割高台茶碗》は、素朴な器形に侘びの極みを湛え、即翁が理想とした静けさを体現するものです。
護法神を描いた《清滝権現像》や、一休宗純・宗峰妙超の墨蹟など、東西の名品が茶の場で呼吸するとき、数寄とは収集にとどまらず、人と時代をつなぎ直す実践であることが伝わってきます。
第2章 杉本博司 茶道具

新館では、写真や建築、古美術の蒐集まで幅広く手がける杉本博司が、自作とコレクションを通じて「現代の数寄」を提示します。

新素材研究所が設計した空間は、コンクリートの壁で場を「囲う」発想から生まれました。


月の中に「銀テイ」という書き込みがあるので下絵か見本図でしょうか。銀泥という絵具で塗ってねってことかな。

造るのではなく囲う、利休の精神を現代の建築言語で翻訳した「茶室」には、ガラスを鋳込んだ茶碗や金属と陶を組み合わせた香合、手捻りの新作など、伝統の形式に新しい素材と構造を与えた道具が並びます。

春日大社の藤棚を和紙に刷り上げた大作屏風、海や塔をモチーフにした近作も空間に呼応し、古今の美が一つの「茶の場」で共存する光景が現れます。













鹿せんべいの看板と杉本さん作「埴輪 鹿親子」。

かわいい。
古美術と現代の呼応

杉本が長年にわたり集めてきた古美術も会場を支えています。

利休所縁の竹花入が、木彫の椿とともに静かに置かれ、室町の神鹿像には現代の造形が寄り添う。

さらに、法隆寺金堂釈迦三尊像の旧部材とみられる金銅製蓮弁が初公開され、宗教と芸術の境界を越えて“信仰の造形”が立ち現れます。

金属の輝きと土の肌理、古の祈りと当代の造形が同じ場に響き合うとき、数寄の眼差しがいまの時代に確かに息づいていることを実感します。


こんなふうに須田さんの作品も混ざっています。



数寄は続いていく

即翁が求めたのは、最高の状態で茶道具をともに鑑賞できる「場」でした。

杉本が示すのは、技と創意で道具をつくり、古美術と並置して美を再編する「現代の数寄」です。

二人の実践に通底するのは、伝統を敬いながら、そこに新しい光を差し入れる姿勢。

展示空間に身を置くと、静寂と緊張がほどよく張り合い、過去と現在が自然に重なります。

数寄とは、形を真似ることではなく、美と向き合い続ける生き方そのもの。

本展は、その原点を確かめるための、静かで濃やかな機会になるはずです。



水指の並びに突然のマヤ文明の「マヤの壺」。これを水指として使っているの面白すぎる。







海の絵の上にこの形の置物を置くと、灯台にしか見えない。








ミュージアムショップ
展覧会グッズは一切ありませんでした。図録は現在制作中?のようです。その他和な文房具やお香、関連書籍、花瓶などがありました。茶道具などもありました。
カフェ&レストラン

茶話処「猿町カフェ」があります。

ドリンクと和菓子・ケーキを楽しむことができます。

お呈茶セット1,500円を注文すると好きな茶碗を選ぶことができます。

「木守り」という柿をモチーフにした上生菓子。割ると種に見立てた小豆が入っていました。かわいい!

こちらはケーキセット1,500円です。2種類ありました。横浜のエムロードというお店のフレーズピスターシュというケーキにしました。

イチゴとホワイトチョコのムースの中にピスタチオクリームとイチゴジュレが入っていてとってもおいしかったです。
「数寄者」の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造 概要
会期:[前期]2025年10月4日~11月9日、[後期]11月12日〜12月14日 ※前後期で展示替えあり
会場:荏原 畠山美術館
住所:東京都港区白金台2-20-12
開館時間:10:00〜16:30 ※入館は開館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は開館、翌日休館)、11月11日