こんにちは!
今回は、《アヴィニョンのピエタ》を解説します。
早速見ていきましょう!
アヴィニョンのピエタ
アンゲラン・カルトン《アヴィニョンのピエタ》1455年頃
正式名称は、この絵が発見された町の名前を冠した《ヴィルヌーヴ=レ=ザヴィニョンのピエタ》です。
登場人物
硬直した弓状のキリストの亡骸が描かれています。
我が子の亡骸を前に、憔悴しきった聖母マリア。
背後には名前入りの光輪が描かれています。
マグダラのマリアです。
アトリビュート(持ち物)の香油の壺を持っています。
画質が悪いのでわかりにくいのですが、鼻筋には、2粒の涙が見えます。
そしてこちらは聖ヨハネ…
キリストの光輪、弾きながら遊んでる?!?!?!
わけではありません。茨の冠をそっと抜いています。でも弾いているようにしか見えない…。
この人物だけなんか場違い感ありますよね。
光輪もありません。
彼は寄進者です。お金を出した人です。
スルプリという白衣と左腕の毛皮によって、参事会員だとわかります。
写真の無かった時代、有名人と一緒に写りたい!と思ったらどうするのかというと…
お金を出して、有名なシーンで有名人と一緒に描いてもらっていたんです。
この絵では、信仰深い彼が見た幻影が絵として描かれています。
宗教画では、この絵に限らず、「なんか場違いな人いるな〜」と思ったら、この可能性が高いです。
ピエタ
十字架から降ろされたキリストの遺骸を、膝に抱く聖母を表した「ピエタ」は、15世紀ヨーロッパの絵画や彫刻で最も広く扱われた主題の一つです。
「ピエタ」とはイタリア語で「哀悼」の意味です。
処刑
遠景に描かれているのは、キリストが処刑されたエルサレムの風景だといわれています。
田舎で偶然発見された名作
この作品は、1834年フランスの片田舎の礼拝堂で『カルメン』で知られる作家メリメによって発見さ、その後、展示会で一躍注目を集め、1905年にルーヴル美術館所蔵となりました。
この絵がルーヴル美術館に所蔵されているのも、一般市民からなる「ルーヴル友の会」の会員の募金によって、購入するお金を工面することができたからでした。