こんにちは!
今回は、マグリットの「記憶」シリーズについてです。
早速見ていきましょう!
「記憶」シリーズ
ルネ・マグリット《記憶》1942年
マグリット44歳のとき、後にシリーズとなる《記憶》第1作目を制作しました。
その後20年間にわたってこのテーマを描きました。
ルネ・マグリット《深海》1941年
このシリーズを描く前年に、似たような彫像を描いています。
この頭部は誰?
ルネ・マグリット《記憶》1944年
石膏首像は、マグリットの義理の姉妹(妻の姉妹)が経営する画材屋「ラ・メゾン・ベルジェ」で仕入れていたものです。
マグリットはどうもそれを有名なデスマスク「セーヌ川の身元不明少女」と勘違いしていたようです。
「セーヌ川の身元不明少女」とは何かというと…
「セーヌ川の身元不明少女」のデスマスク
セーヌ川で溺死体で見つかった身元不明の少女がいました。
彼女があまりにも美しかったので、パリの死体安置所の病理学者は、型工を呼んで石膏のデスマスクを取らせました。
それがこれです。
溺死体がこんなに綺麗な顔をしているとは思えないのでこの話は作り話だろうとは思いますが、当時これが大変ウケました。
1900年以降の芸術家の家では、少女のデスマスクを壁に飾ることが流行し、彼女の顔姿は数多くの文芸作品の題材になりました。
過去の記憶
ルネ・マグリット《記憶》1945年
「記憶」といえば、ギリシャ神話にムネモシュネという記憶の女神がいます。
ルネ・マグリット《記憶》1948年
石膏なのにどうして彼女は血を流しているのでしょうか?
血痕があることで、鑑賞者に彼女が何らかの犠牲者だとほのめかすことができます。
また、石、石化、長い時間が経った後と連想していくと、過去に体験した痛みを伴う記憶を忘れたと思っていたらふと思い出し、また傷が開いてしまったのかもしれません。
ルネ・マグリット《記憶》1948年
絵のバージョンによっては、彫像と一緒にバラ、葉、卵などが描かれています。
これらは石像とは対照的に生命力に溢れており、「記憶」が生きていることを表しているのかもしれません。
ルネ・マグリット《記憶》1948年
この丸い物体は、マグリットの絵によく登場する馬の鈴です。
ルネ・マグリット《記憶》1948年