こんにちは!
今回は、ギリシャ神話に登場する太陽、芸術の神アポロンを解説します。
早速見ていきましょう!
アポロン(アポロ)
シャルル・メニエ《光の神アポロンと天文の神ウラニア》1798年
ギリシャ名:アポロン、ローマ名:アポロ、英語名:アポロ
アトリビュート:白鳥、竪琴、弦楽器、月桂樹、ヒマワリ
太陽、光、音楽、歌、詩、男性美を司る神です。
光り輝く島で生まれる
オディロン・ルドン《アポロンの戦車》1909年
アポロンは、ゼウスと浮気相手レトの子供です。
母レトは、ゼウスの妻ヘラの嫉妬から身を隠し、オルテュギア島でアポロンを生みました。
レトは、いつか息子がこの島に神殿を建てること、そして島をデロス(「光り輝く」の意味)と名づけることを誓いました。
アポロンが生まれると、パクトロス川からやってきた白鳥たちが島のまわりを7回飛び、レトの出産を祝いました。
これを記念し、のちにアポロンは自らの竪琴に7本の弦を張って白鳥をシンボルとし、ゼウスはアポロンに白鳥の引く戦車を贈りました。
予言能力
ギュスターヴ・モロー《ピュトンに打ち勝つアポロン》1885年以前
予言能力を持つアポロンは、神託のための神殿を探してデルフォイにたどり着きました。
しかしそこには、恐ろしい蛇ピュトンがのさばっていたため、それを弓矢で射殺し退治し、その皮をさらして腐敗するままにしておいたことから、「腐敗」はギリシャ語で「ピューティン」と言うようになりました。
そこから派生して、アポロンは「ピューティアン(腐敗させる者)」、その巫女は「ピューティア」と呼ばれるようになりました。
デルフォイの巫女は、神託を告げるときに、臭気漂う火山の噴気孔上に置かれた蛇の皮に座っていたとか。
勝利の象徴 月桂樹
ギリシャ人は、次第にアポロンを太陽の神として崇めるようになりました。
アポロンは、性格も外見も明るく、影の一片すらなく、音楽を司ることから、歌、詩、竪琴を競いあう場では、常に勝利を収めていました。
そのため、アポロンのシンボルの一つである月桂樹は「勝利」の象徴でもあります。
カラスが黒い理由
カラスは、アポロンのお気に入りの鳥で、元々は純白でした。
ある日、1羽のカラスがアポロンに恋人コロニスが浮気をしていると告げ口しました。
怒ったアポロンは矢で恋人を射ますが、彼女は息も絶え絶えに自分が妊娠していることを告げました。
アポロンは赤子だけ救い、出産を見守る医学の神としました。
告げ口した腹黒いカラスは黒くされ、以降、「密告屋」を意味するようになりました。
完璧な外見
ギリシャ人もローマ人も、アポロンを美の神と崇めたため、現在でも「アポロン」という語は、彫刻作品のような完璧な外見の男性を意味します。
太陽神アポロンは、月の女神ディアナと双子の兄妹です。
この輝かしい双子は、かたや青年の、かたや処女の、いわば青春の肉体美の理想像を体現しています。
アポロンのために開催されていた「ビューティア大祭」は、一種の文化オリンピックのような祭典でした。
アポロ13号
アポロ13号のロゴ
1961年、ケネディ大統領がアポロ計画を立ちあげました。
太陽ではなく月を目指すのであれば「ダイアナ計画」の方がしっくりくるような…。(ダイアナは月の女神)
アポロ計画は成功を収め、12人の宇宙飛行士が月面を歩きました。
有名なのは、酸素タンクが爆発し、乗組員たちの生還が危ぶまれたアポロ13号ですね。(無事生還)
ロゴには太陽神の輝く戦車が刻まれていました。