「大原美術館所蔵 名画への旅―虎次郎の夢」展の感想と完全ガイド!

大阪の中之島香雪美術館で開催中の「特別展 大原美術館所蔵 名画への旅 ― 虎次郎の夢」に行ってきました。

特別展 大原美術館所蔵 名画への旅 ― 虎次郎の夢

大原美術館の「名品」が大阪に来る、いまだけのチャンス。

この展覧会は、大原美術館の改修工事による休館をきっかけに、「これぞ名品!」級の作品を館外でまとめて見られる貴重な機会として企画されています。

しかもテーマは、作品を買い付けて回った洋画家・児島虎次郎(こじま とらじろう)の旅。

ベルギーから始まる足取りをたどりながら、名画を旅するように見ていくような展覧会です。

チケットの価格と入手方法

一般 1,600円、大・高生 800円、小中学生 400円

詳しくはこちら

ロッカー

展示室の入口の近くにあります。

音声ガイド

ありません。

写真撮影

ピカソ《骸骨のある静物》以外の作品は写真撮影OKです。

個人的にびっくりしたのは、写真撮影をしている人が少なかったこと。

東京の展覧会で写真撮影OKだと、ほとんどの人がなにかしらの作品を撮影しているようなイメージがあるのですが、この展覧会では撮影している人の方が少数なのでは?という感じでした。

私が行った時偶然そうだっただけかもしれませんが。

東京と大阪の人の違いなのでしょうか?不思議。

混雑

平日のお昼過ぎに行きましたが、ほどほどの人混みで、見やすかったです。

大原美術館展 構成

まず「虎次郎の夢」ってなに?

大原美術館のはじまりは、100点にも満たない西洋絵画と彫刻でした。それを集めたのが虎次郎です。

虎次郎は単身ヨーロッパへ渡り、現地で本物を買い付けました。

その裏には大原孫三郎の資金的援助があり、「日本の人々に本物を見せたい」という若い二人の思いが、のちの大原美術館の設立につながります。

けれど虎次郎は美術館完成を見ないまま1929年に亡くなりました。この物語が「虎次郎の夢」です。

展示作品

児島虎次郎《和服を着たベルギーの少女》1911年

クールベ

ジャン=フランソワ・ミレー《グレヴィルの断崖》1871年

農民画で有名なミレーですが、この作品は海辺の断崖を描いた風景。静かな自然の力強さを感じられます。

コロー

モロー

マネ

シダネル

エジプト系

旧村山家住宅 洋館 居間の再現

エル・グレコ《受胎告知》1590頃–1603年

天使が現れて「受胎告知」を伝える宗教画で、本展の象徴的な一作として大きく扱われています。

暗い背景と強い光、人物の動きがドラマチックでエル・グレコ!といった感じ。

何年も前に大原美術館に行ったことがありますが、今でもこの絵はとても印象に残っています。また再会できてうれしい!

マリアの頭上にある「十二の星」は『ヨハネの黙示録』が元ネタですが、どうもエル・グレコが描いたのではなく、後に誰かが描き加えたものだという説が有力なようです。

2025年秋の修復で汚れや古いニスを取り除き、できるだけ元の状態に戻そうとしたとき、この星を消すか残すかが大きな議題になりました。

プラド美術館から来た修復家は「元に戻すなら消すべき」と考えましたが、議論の末、星は残すことになりました。

理由の一つは、児島虎次郎が見た時の《受胎告知》には星が描かれていたからなんだそう。

アメデオ・モディリアーニ《ジャンヌ・エビュテルヌの肖像》1919年

長い首と静かな表情が印象的な肖像画。モデルはモディリアーニの恋人です。

ポール・シニャック《オーヴェルシーの運河》1906年

色が明るく、筆触が細かく分かれる印象派以降の風景。水辺の光の感じが見どころです。

エドヴァルト・ムンク《マドンナ》1895-1902年

宗教的な言葉の「マドンナ」と、ムンクの不安や感情がぶつかるような作品。人によって印象が強く揺れます。

カリエール

ジャン=ルイ・フォラン《舞台裏―青のシンフォニー》1900-1923年頃

舞台裏の空気を描く作品。表の世界と裏の世界がつながっている感じがわかります。

アンリ・マティス《エトルター海の断崖》1920年

海と崖を、マティスらしい色と形でまとめた作品。写実より「色の強さ」が主役です。

ピサロ

クロード・モネ《睡蓮》1906年頃

水面に浮かぶ睡蓮を通して、光の揺れや空気の気配を描く作品です。

近くで見ると筆の跡が見え、少し離れると水面の世界がまとまって見えてきます。

ポール・ゴーギャン《かぐわしき大地》1892年

色が濃く、現実よりも「心の中の風景」に近い雰囲気を持つ作品です。

見る人に「この世界はどこ?」という不思議な感覚を残します。

アルフレッド・シスレー《マルリーの通り》1879年

印象派らしい明るさで、街並みと空気を描きます。空の色と地面の色の関係を見ると面白いです。

カミーユ・ピサロ《りんご採り》1886年

エドガー・ドガ《赤い衣裳をつけた3人の踊り子》1896年

バレエの踊り子たちの一瞬を切り取った作品です。

ポール・セザンヌ《風景》1888-1890年

「目で見たまま」より、形と色で構造を作るセザンヌらしさを体験できる作品です。

最後、茶室「中之島玄庵」を再現したものの中に、ジャコメッティがいました。かわいい!

定期的にライティングが変わります。

アルベルト・ジャコメッティ《ヴェニスの女Ⅰ》1956(1958)年

細長い人体彫刻で有名なジャコメッティの代表的シリーズ。

よく見ると表面がざらざらしていて、細いのに存在感があります。

ミュージアムショップ

図録以外は大原美術館のグッズでしょうか?ポストカード、メモ、ブックカバー、ミラー、しおりなどがありました。

カフェ&レストラン

ミュージアムカフェはありませんが、美術館が入っているビル内にカフェやレストランなどがあります。

大原美術館展 概要

会期:2026年1月3日(土)~3月29日(日)
会場:中之島香雪美術館
住所:〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階
電話番号:06-6210-3766
開場時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
※毎週金曜日は夜間特別開館、10時~19時30分(入館は19時まで)
休館日:月(9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日、24日、10月15日、11月5日