こんにちは!
ディズニーシーには多数の名画パロディがあるって知ってましたか?
今回はその中の1枚を紹介します!
東京ディズニーシー ヴィラ・ドナルド・ホームショップ
ディズニーシーの「ヴィラ・ドナルド・ホームショップ」というお土産物屋さんの中に飾られている絵画です。
ドナルド一族大集合!とっても賑やかな絵ですが、元になった絵画があるんです!
それが…
元になった名画
サンドロ・ボッティチェリ《ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第3場面》1483年
こちらです!
これ1枚だけ見ても意味不明ですよね?カオスって感じで…
連作絵画なので全部で4枚あります。
最初から見ていきましょう!
ナスタジオ・デリ・オネスティの物語
『デカメロン』って聞いたことありませんか?
『デカメロン』とは、男女10人が退屈しのぎに、1人10話ずつ(全部で100話)語ったその話をまとめた物語集のことです。
その中の1話を元に描いたのがこの4枚の絵です。
当時の人々にとっては、おなじみの話だったので、絵を見ればすぐに何の話かわかったそう。
第1場面
左から右に物語が流れていきます。
水色と赤いズボン姿の、ラヴェンナの貴族ナスタジオ・デリ・オネスティが主人公です。
彼は、パオロ・トラヴェルサーリの娘に恋していますが、彼女は彼を拒否。
ひどく落ち込んだ彼に、友人たちが「街を出たらどう?」とアドバイスをもらっているのが、左の赤いテントの部分。
街を出て、うつむいて元気なく森を散歩していると…
騎士に追われ、犬に襲われている半裸の女性に遭遇!
びっくりしながらも女性を助けるため、その辺の木の枝を拾い、犬を追い払おうとしています。
第2場面
助けられなかった。
騎士は女性を引き裂き、心臓を取り出し、犬がそれを食べています。地獄。
女性の上の木々が、切り裂かれたことを強調するように、ギザギザとしています。
なんでこんなことになっているのかというと、
この騎士は、追いかけている女性に恋をしていたが、拒絶させて、悲しみのあまり自殺。
彼女が死んでもなお恨み続け、彼女を追いかけては殺し、また追いかけては殺し…と永遠にループしていたのです。
第3場面
そこでナスタジオ、いいことを思いつきます。
友人や家族、そして大好きな彼女との宴会をこの場所でセッティングします。
右に第1場面に出てきたテントがあります。
手前に切り株が数本あることから、わざわざ木を伐採して宴会会場を作っていることがわかります。(怖)
そしてその場に、騎士と犬に追いかけられている女性が登場、突然の出来事に、みんな大混乱。
そんな中、1人冷静なナスタジオ、そしてその視線の先には、意中の彼女(白い服)。
「結婚しないと、君もこうなるよ?」と大好きな彼女に圧をかけます。
第4場面
めでたく結婚。
左のテーブルの白い服の女性が意中の彼女、向かいにいるのがナスタジオです。
彼は彼女にめちゃくちゃ何かを話しかけているようですが、彼女の目が死んでいるようにしか見えません。(笑)
中央の凱旋門は、勝利の象徴です。彼の愛の勝利ということですね。
めでたしめでたし。
結婚の記念に
感覚が違いすぎて理解できませんが、この絵、大富豪が息子の結婚の記念にと依頼した絵だと言われています。
新婚夫婦の寝室を飾る絵としてこれを注文するのすごい…グロくない?話も強引だし…
って思ってしまいますが、間違った選択をして永遠に苦しむことを事前に阻止したという、いい話扱いなんでしょうね。すごい。
ディズニー公式のディスニーシー解説本です!(タイトルは絵本ですが、小さい子が読むような絵本ではありません)
タワテラのハイタワー三世の記事やペグおばさんの悲しい恋物語、秘密組織S.E.A.についてなどなど…。
ディズニーシーのBGS(バックグラウンドストーリー)やマップの細かすぎる説明などが載っていてかなり面白いのでおすすめです。