こんにちは!
今回は、ルノワールが描いたジャンヌ・サマリーの絵を紹介します。
早速見ていきましょう!
ジャンヌ・サマリー
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》1877年
人気女優
ジャンヌ・サマリーは、コメディ・フランセーズの人気女優です。
コメディ・フランセーズというのは、フランスを代表する王立の(後に国立の)劇団で、「コメディ」というのは演劇という意味で、笑える話という意味ではありません。
シャルパンティエ夫人の紹介
ルノワールは、パトロンのシャルパンティエ夫人のサロンで彼女と出会いました。
ジャンヌにルノワールのモデルになるよう勧めたのはシャルパンティエ夫人でした。
本人は気に入らなかった
上の絵では、20歳のジャンヌの魅力を、赤と緑、青と黄という補色の関係にある色彩で、暖かく華やかに描いています。
しかし、ジャンヌは、女優としての社会的および職業的名声ではなく、夢のような側面を強調した作品を見て、ルノワールが観客として自分をどう見ていたかを知って落胆しました…。
複数回モデルに
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》1877年
当時ジャンヌは、ルノワールのアトリエの近くに住んでいたこともあり、何度かモデルを務めました。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジャンヌ・サマリー》1878年
ピエール=オーギュスト・ルノワール《女優ジャンヌ・サマリーの肖像》1878年
1879年のサロンに出品した作品で、ジャンヌの両親が制作を依頼しました。
パリのコメディ・フランセーズ劇場の舞台のカーテン前に立つジャンヌの晴れ姿が描かれています。
暖色の背景のなかに白のドレスが艶やかに浮かびあがるように描き、モデルの優美さを引き立てています。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《女優ジャンヌ・サマリーの肖像》1878年頃
1877年からジャンヌが結婚する前年までの5年間に彼女を数十回描いていますが、コメディ・フランセーズの演劇を快く思っていなかったルノワールは、舞台のジャンヌを描きませんでした。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《うちわを持つ女》1879年頃
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》1879-1880年頃
ピエール=オーギュスト・ルノワール《舟遊びをする人々の昼食》1880-1881年
ルノワールの代表作の一つである上の絵の中にも…
画面右端に登場しています。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《テラスの姉妹》1881年