こんにちは!
グロテスクという言葉から何を連想しますか?
気味が悪くて異様で奇怪なものでしょうか。
実は、装飾模様からきている&あのラファエロが有名にしたんです!
どういうことなのか見て行きましょう!
目次
グロテスクの語源は洞窟
洞窟を意味するラテン語の「Grotto(グロット)」が由来です。
イタリア語だと「Grotta(グロッタ)」です。
15世紀ローマで地中に埋もれてしまった、もはや洞窟みたいな宮殿を見つけます。
その内部のフレスコ画に人や動物や植物などが奇妙に描かれていました。
これが「グロッタで発見された古代美術」ということで「グロテスク」装飾と呼ばれるようになりました。
グロテスクってどんな模様?
イタリアでのグロテスクのエングレービング 1500-1512年
異様・異形の人物・動物・植物・果物など様々なモノが曲線模様で連続して繋がっているのが特徴です。
ラファエロが「グロテスク」を有名にした
ラファエロとは?
ラファエロ・サンティ《自画像》1506年
ラファエロ・サンティ(1483-1520年)はイタリアの画家です。
ルネサンス三大巨匠のひとりです。(あとの2人はレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ)
とにかく上品。そして美しくて、描く女性は可愛くて優しげなのが特徴です。
ちなみにラファエロは女性が大好きでした。
ラファエロ・サンティ《小椅子の聖母》1513-1514年頃
顔かわいい!!
優しげで柔らかい雰囲気の作品です。
この変わった模様使ってみようかな
先ほどの宮殿内のグロテスク装飾に影響を受けたラファエロは、
人間の下半身から鳥の長い脚が出ているような奇怪な模様を、オシャレに美しく、バチカン宮殿の回廊の内装に取り入れました。
ラファエロがオシャレにこの模様を取り入れたことによって、その斬新さがウケ、みんな真似し始めます。
室内装飾に止まらず、家具や陶器など幅広く使われるようになります。
ラファエロと同じ装飾がいい!!!
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エカテリーナ2世の美術コレクションが元になっているロシアのエルミタージュ美術館。
そんなエカテリーナ2世がバチカン宮殿にあるラファエロの装飾を大変気に入り、
模倣して作らせたのがこの「ラファエロの回廊」です。
マリーアントワネットの私室にもグロテスクが!
マリーアントワネットが別荘としても利用していたフォンテーヌブロー宮殿。
その中にある、マリーアントワネットの私室の壁面にも優美なグロテスク模様があります。
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椅子の上の壁に描かれている、女性とライオンか何かがくっついた、羽根のある何かが2体いますね。
まとめ
人や動物や植物などを奇妙に描いた奇怪な模様をグロテスクと呼んでいた時代から、
時が流れ、奇妙・奇怪・不気味なものを指す言葉になりました。
さらに日本語での「グロテスク」には、残虐的な気持ち悪さや、生理的嫌悪感がプラスされています。
どちらかというとこの意味で使用する人が多いのも、他の国とは違うところですね!
・「グロテスク」は装飾模様 ・奇怪な模様から転じて異様な気味の悪さを表す言葉に。