表参道の「エスパス ルイ・ヴィトン東京」で開催中のアンディ・ウォーホルのポートレートをテーマにした展覧会「Serial Portraits ― Selected Works from the Collection」に行ってきました。
早速見ていきましょう!
目次
アンディ・ウォーホル「Serial Portraits ― Selected Works from the Collection」

とってもよかったです!おすすめ!
大阪のエスパス ルイ·ヴィトンの店員さん、ギャラリーのスタッフの方もとっても優しかったのですが、東京も同じくとっても優しい感じでした。
入場料
無料です。
写真撮影
写真撮影OKです。
混雑
土曜日、13:30頃行きましたが、空いていました。
展覧会のねらい

アンディ・ウォーホルってどんな人?↓

ウォーホルが一貫して取り組んだ「人物像(ポートレート)」に焦点を当て、初期のドローイングから、フォトブース(証明写真機)やポラロイドを使ったセルフポートレート、そしてシルクスクリーンの連作までを、“連続(serial)”という見方でつないで紹介します。
作品が作られた手順(撮影→転写→反復)や、色・版ズレ・位置の違いで生まれる変化に注目する構成です。
見どころ
1)セルフポートレート:フォトブースから“フライト・ウィッグ”まで

60年代のフォトブース(1963–64)を起点に、70~80年代のセルフポートレートへ。

ウォーホルは「機械のように描きたい」と語り、印判やコピー、写真の転写を用いて手仕事の痕跡を薄める方向へ進みます。

晩年の1986年には、乱れ髪の“フライト・ウィッグ”を着けたセルフポートレートも制作。

同じ写真から色とフレーミングを変えて“連続”で見せる発想は、ウォーホルの肖像制作の核でした。

写真なのに絵画みたいな質感が面白い。
2)《20世紀のユダヤ人10人の肖像》(1980)

アインシュタイン、カフカ、マルクス兄弟、サラ・ベルナールなど、10人のユダヤ系の偉人をシルクスクリーンで組にしたシリーズ。
アーカイブ写真をもとに、ベラム紙に10点を個別額装しています。
80年代のウォーホルが模索した、複数色インクの重ねやグラデーションの効果にも注目。

会場デザインの一部カラーは、この連作の色から抽出されているそう。
3)《シャドー(The Shadow)》(1981)

20世紀アメリカの人気ラジオドラマ/コミックの“シャドー”から着想した作品。
強い光でできる影(シルエット)を主役にし、自画像のもう一つの姿として提示しています。
ウォーホルが肖像から輪郭と影だけを抽出して、イメージの反復と変奏へ踏み込んだ例です。
4)初期ドローイング《Unidentified Male》ほか

50年代にボールペンで描いた若い男性のドローイングは、広告イラストレーター時代の確かな描写力と、私的なスケッチの伸びやかさを伝えます。

のちのシルクスクリーンでは目立たなくなる「手で描く力」が、初期には前面に出ていることがよくわかります。




5)“なりきり”と自己演出

ウォーホルはウィッグ+サングラスで自らのイメージを作り、ドラァグに扮した写真やさまざまなポーズの自画像で、アイデンティティが演出可能であることを示しました。

ポートレートの連作は、単なる有名人カタログではなく、「イメージはどのように作られ、流通し、変わるのか」を問う実験場でもありました。
ウォーホルの“連続”とは?

ウォーホルは、同じ画像を版として何度も刷り、色・濃度・位置を変えることで、似ているのに違う数多くの肖像を生み出しました。
これは広告・メディアの反復と拡散の感覚とつながっています。
さらに、写真→原版→刷りという工業的な手順を作品に取り入れることで、芸術と商品・高尚と大衆の境界を意図的にあいまいにしました。
今回の展示は、その“連続性”を自画像と人物像の両面から読み解く構成です。

右の写真の中にはホックニーもいます。

マイ・ウォーホル人形も一緒に連れてきました。黄色い壁がいい感じ。
会場内作品のキャプション近くにあるQRコードを読み取ると作品の解説を読むことができます(これはこのQRコード限定の解説ページです)。
なのですが私のスマホの電波が弱すぎてその場では全くページを開くことができませんでした。
後から公式サイトで確認できるだろうと一つだけしかQRコードを撮っていなかったので、帰ってから後悔しました…。また今度行こうかな?
アンディ・ウォーホル「SERIAL PORTRAITS」 概要
アンディ・ウォーホル「SERIAL PORTRAITS – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」展
会期:2025年10月2日(木)〜2026年2月15日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F
開館時間:12:00〜20:00
※休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる







