こんにちは!
今回は、クリムトの代表作《接吻》を解説します。
早速見ていきましょう!
接吻
グスタフ・クリムト《接吻》1908-1909年
クリムトが46歳のときに描いた作品です。
モデルは誰?
クリムトとクリムトの恋人エミーリエがモデルというのが一説。
または、ウィーンの資産家の妻アデーレ・ブロッホ・バウアーでは?ともいわれています。
当時流行った主題
当時新しく登場した「接吻する男女」という主題は、ムンクやロダンなど、様々な芸術家によって取り上げられたテーマでした。
丸と四角で性別を表現
男性の衣装は、黒と白のモノトーンの長方形や正方形など、四角と直線で描かれています。
日本美術の市松模様が由来しているのではといわれています。
女性は、カラフルな丸で装飾されています。
円や曲線が女性を象徴しています。
クリムトは、丸や四角などの幾何学模様を使って、性別を表現しようとしていることがわかります。
崖
幸せの絶頂にいる2人を崖の上に配置することによって、不安な未来を暗示しています。
これ以上の幸福はないという極限で踏みとどまっているような強い印象を受けます。
元々は立っていた?
崖の上でしっかりと抱き合う男女。
女性の足に注目すると跪いていますが、習作の段階では立っていました。
膝を折った女性が男性を抱きしめることによって、一体感や恍惚感を強調しています。
金箔の背景
全面に金箔が散りばめられており、豪華絢爛な雰囲気を醸し出しています。
クリムトは一時期金箔を多用していましたが、これは琳派の影響を受けていたのでは?といわれています。
大好評
1908年の総合芸術展「クンストシャウ」展に出品し、大好評を博しました。
展覧会終了と同時に、オーストリア政府に買い上げられました。