こんにちは!
今回は、上野の東京都美術館で開催中の「ミロ展」に行ってきました。
目次
ミロ展

スペイン・カタルーニャ州出身の画家、ジュアン・ミロ(1893~1983年)は、同じくカタルーニャ出身のピカソと並ぶ20世紀を代表する芸術家です。
太陽や星、月など自然界のかたちを象徴的な記号として表現する、詩的で独特な作風で知られています。
本展は、ミロの70年にわたる創作活動を網羅する大規模回顧展です。
〈星座〉シリーズをはじめ、世界中から厳選された名作が一堂に集まる貴重な機会です。
日本でこれほど大規模なミロの個展が開かれるのは、彼が存命中の1966年以来約半世紀ぶり。没後40年を迎え、政治的・社会的に分断の深まる今だからこそ、ミロが生涯追い求めた自由な表現の足跡を見直す意義があります。
チケット
一般2,200円、大学生・専門学校生1,300円、高校生以下無料です。
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ロッカー
入って左側の壁にたくさんあります。
音声ガイド
アーティストの岩田剛典さん、ナレーションは声優の坂本真綾さんが音声ガイドを担当しています。
会場レンタル版は650円、アプリ配信版は700円です。
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写真撮影

2F(第4章の途中〜最後の第5章)のみ写真撮影OK、他は不可です。
撮った写真をSNS投稿するとステッカーがもらえるキャンペーンをしていました。詳細は公式HPをチェック!
混雑
日曜日の9:30の回で行きましたが空いていました。
開館15分前に美術館に着いたときには前に40〜50人くらい並んでいました。少し早めの9:20くらいに美術館の中に入ることができました。
会場内はそこまで混んでおらず、見やすかったです。時間で区切っての入場なので最初の部分だけ混雑を感じました。混んでいたら後で見るのがおすすめです。人の波があるので空くときは空きます。
10時20分くらいに最初の展示室に戻って鑑賞したら最初よりも空いていました。
ミロ展 構成
ミロってどんな画家?↓
第1章 若きミロ:芸術への決意

ジュアン・ミロ《自画像》1919年
1893年、ミロはバルセロナで生まれました。
両親の意向で会計の仕事に就いたものの、病をきっかけに画家になることを許されました。
1912年から美術学校で学び、セザンヌやキュビスム、フォーヴィスム、ダダイズムなど当時の国際的前衛芸術に影響を受けました。
カタルーニャの風景と前衛的な表現を融合させた初期作品を制作しました。

ジュアン・ミロ《ヤシの木のある家》(1918年)
モンロッチで描かれた、風景を細密に描写する初期の名作です。
ミロの精緻な表現スタイルが最初に花開いた重要な作品です。
第2章 モンロッチ – パリ:田園地帯から前衛の都へ
1920年、ミロは初めてパリを訪れ、シュルレアリスムの芸術家や詩人と交流しました。
帰郷してはカタルーニャの大地で詩的な表現を深め、パリでは前衛芸術家として活躍しました。
1928年頃からコラージュを取り入れ、伝統的絵画への反抗を試みました。

ジュアン・ミロ《オランダの室内Ⅰ》1928年
17世紀オランダ絵画をもとにした作品です。
原作の遠近法や立体感を否定し、人物の頭部やリュートなどを強調して描いています。
第3章 逃避と詩情:戦争の時代を背景に

1936年にスペイン内戦が勃発し、ミロはパリへ避難しました。
戦争の混乱から逃れるように、内面や詩的なイメージを重視した作品へシフトしています。

〈星座〉シリーズ(1940~41年頃)は第二次世界大戦中、苦境からの逃避と詩や音楽に触発されて生まれた作品群です。
夜空や神話を思わせるモティーフ(女性・鳥・梯子など)が抽象的に描かれ、以後の制作でも繰り返し用いられています。
本展ではこのシリーズのうち3点が展示してありました。
第4章 夢のアトリエ:内省を重ねて新たな創造へ

1947年、初のアメリカ訪問で壁画制作を経験し、アメリカの若い画家たちから刺激を受けました。

1956年、マジョルカに理想のアトリエが完成すると、自身の絵画を再検討する落ち着いた時期に入りました。
ミロは日本文化にも強い関心を持ち、1966年と1969年に来日し、東洋との親和性を再確認しました。

ジュアン・ミロ《太陽の前の人物》1968年
日本の禅僧・仙厓義梵の《○△□》から着想を得た作品です。
東洋のシンプルな造形への共感が示されています。

第5章 絵画の本質へ向かって

1960年代、アメリカ美術の影響でより大きな画面へ挑戦しました。

《焼かれたカンヴァス2》1973年
絵具を流す・キャンバスを焼く・ナイフで切り取るなど、伝統的な手法を壊す実験的表現を展開しました。

裏面。

絵画の本質を追究する姿勢は、1983年に90歳で亡くなるまで変わらず続きました。










まとめ
ミロの芸術は、カタルーニャの自然やパリの前衛運動からの刺激、戦争による混乱、そして日本文化との出会いなど、さまざまな要素が融合して独自の詩的世界を築き上げました。
70年にわたる長い創作活動を網羅する今回の回顧展は、ミロの歩みを一望し、その自由な発想と実験精神を感じ取れる貴重な機会となっています。
ミュージアムショップ
図録、ポストカード、クリアファイル、キーホルダー、トートバッグ、Tシャツ、マグネット、ポスター、手ぬぐい、ノート、関連書籍、輸入菓子などがありました。
カフェ&レストラン
1階に「カフェ・アート」(50席)、「レストラン・サロン」(50席)、2階に「レストラン・ミューズ」(200席)があります。
展覧会コラボメニューもそれぞれありました。

今回はレストラン・サロンでミロ展コラボメニュー6,500円を楽しみました。私はしていませんが、席数が少ないので予約できるのでしておいた方が確実かも。ちなみに予約可能時間は12時まで。


こんなふうにイメージした作品を見ながら料理を楽しむことができます。
前菜の盛り合わせ。別皿で小さなパンも付いてきました。


ジュアン・ミロ《絵画(エミリ・フェルナンデス・ミロのために)》1963年
ガスパチョ。トマトの冷製スープです。


ジュアン・ミロ《明けの明星》1940年
牛ロースステーキとパエリアリゾット。ステーキがとっても柔らかかった。
このときに最初とは別の種類のまた小さなパンがサーブされました。


ジュアン・ミロ《ヤシの木のある家》(1918年)
クレマ・カタラーナというクレームブリュレのようものとチョコアイス、チュロスの盛り合わせ。
紅茶かコーヒーが選べます。
楽しみにしていたチュロスの味が微妙すぎてなんとも言えない気持ちに…。

こちらはサロンランチ4,000円。前菜、メイン、パンかライス、ドリンク付きです。
上は前菜のオードブルバリエ。

メインはビーフシチュー。大きなお肉がごろごろしていました。

追加注文のなぜかバニラビーンズよりシナモンの味を感じるクレームブリュレ…。
ミロ展 概要
会期:2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
開室時間:9:30〜17:30(金曜日は20:00閉室)
※入室は閉室30分前まで
休室日:月曜日(4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開室)、5月7日(水)