ブリューゲル「雪中の狩人」を超解説!

こんにちは!

今回は、ブリューゲルの《雪中の狩人》を解説します。

早速見ていきましょう!

ピーテル・ブリューゲル《雪中の狩人》1565年

450年以上昔のネーデルランド(現在のオランダ)の冬景色が広がっています。

前景に狩人の帰還、中景にフランドルの農村風景、遠景にアルプスの風景が描かれています。

 

奥に山が連なっていますが、実際のネーデルランドにはありません。

ブリューゲルの創作です。

ブリューゲルがイタリア旅行の際に初めて見たアルプス山脈が元になっていると考えられています。

 

3人の狩人が、とぼとぼと村へ帰っていきます。

横の焚火の炎の向きが斜めなことから、向かい風が強く吹いていることがわかります。

狩人に元気が無いのは、疲れだけでなく、獲物が肩に担いだキツネ一匹だけだったからでしょう。

苦労と成果が全く見合っていません。

 

猟犬として犬を13匹(14匹の説もあり)も連れて行ったのに…

この犬たち、わかる人が見れば、獲物のありかを教える足の速い犬、匂いを嗅ぎ分ける犬、狩人が打ちとめた獲物を運ぶ犬と3種類に描き分けてあるんだそう。

 

こっちを見つめる犬…

とても獲物を捕まえられそうな顔をしていません。

 

左側にある家は「鹿亭」という看板から、旅籠だとわかります。

なぜ鹿に手を合わせているのかというと…

聖フベルトゥスがある日、森の中で聖なる鹿と出会い、キリスト教に改宗したその場面が描かれているからです。

看板の留め具が1つ外れて斜めに傾いているのは、狩人たちが鹿ではなくキツネ一匹しか獲れなかったことを表しているのでは?といわれています。

 

宿の前では、火を焚き、豚の毛焼きをしている人々が描かれています。

豚の解体は12月の風物詩でした。

クリスマスや厳しい冬を乗り切るための保存食として戸外で解体され、毛以外の全てを有効活用しました。

豚の血ですら、ブラッド・ソーセージにして余すことなく丸ごと豚を利用しました。

左の男性が豚を解体する時に使う机を運んでいます。

手前の桶もその時に使います。

子供が、豚の膀胱をもらうために今か今かと待ち構えています。

当時豚の膀胱は、息で膨らませて風船にしたりと遊びの道具でした。

 

手前にあるのは黒イチゴです。

 

右には巨大なつららに覆われた水車があります。

 

この時代、すでにスケートは誕生していました。

当時は金属ではなく木製で、靴と一体化しているわけではありませんでした。

スキー板のような感じで、靴に木を紐で結んで滑っていました。

ホッケーをしたり、追いかけっこをしたり、棒立ちの彼女の手を引くカップルがいたり、そりで遊んでいたり、転んでいる人もいます。

ちなみにアイスホッケーが誕生したのはこの頃だといわれています。

 

 

倒れている姿がシュール(笑)

 

コマを回して遊んでいます。

 

 

画面中央の家が燃えています。火事です。

家の周りに人が集まり、川の向こうから長い梯子をかついで救出に向かう人も描かれています。

ブリューゲルはこのように、細かいところまでかなり描き込んでいるので見飽きません。