ドガの描いたぎくしゃくした家族の肖像「ベレッリ家の肖像」を超解説!

こんにちは!

今回は、ドガの《ベレッリ家の肖像》を解説します。

早速見ていきましょう!

ベレッリ家の肖像

エドガー・ドガ《ベレッリ家の肖像》1858-1869年

10年もかけて描いた

ドガは初期、多くの肖像画を描いていました。

本作は、その最高傑作と呼ばれ、ドガがなんと10年もかけて完成させた作品です。

この作品を描くにあたり、モデルの性格を最もよく表現できるポーズを模索し、何度もデッサンしました。

何気ない家族の肖像画のようですが、その割には緊張感や冷たさが伝わってくる作品です。

登場人物

叔母ラウラ

 

叔母のラウラ・ベレッリです。

喪服でわかりづらいのですが、妊娠中の姿が描かれています。

表情は冷たく、心ここにあらずな感じで、夫と視線を合わせようともしていません。

それもそのはず、ラウラは夫をひどく嫌っていて、被害妄想に苦しんでいたんだとか。

ベレッリ男爵

 

夫は、ナポリの貴族ベレッリ男爵でした。

書類を見ていたのでしょうか。

不機嫌そうな表情で端にいます。

背を向けて座っているところからも、孤立感が伝わってきます。

長女

 

長女のジョヴァンナです。

正面を見つめるその眼差しは、鑑賞者を引きつけ、絵の中に引き込んでいきます。

次女

 

次女のジュリアです。

家族の中で一番柔らかな表情をしています。

母親の方に体を向け、顔だけ父親の方を向いています。

 

足はどうなっているのかというと、左足を組んでいます。

無邪気な様子は、この場の緊張感を緩め、家族をかろうじてつなぎとめているかのようです。

画中画

 

壁に飾ってある絵は、ドガが描いたラウラの父(ドガの祖父)の肖像画です。

本作が描かれる前に他界しており、叔母が喪服を着ているのも、祖父への追悼だと考えられています。

エドガー・ドガ《イレール・ド・ガスの肖像》1857年

この絵に似ていますね。

飼い犬

 

わかりにくいのですが、右下の端にが描かれています。

家族の分断を象徴するかのように、頭部が画面から切れて描かれていません。

被写体を途中で切るような描き方は、浮世絵の影響ともいわれています。