西洋絵画初!横たわる裸婦を描いたジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」を超解説!

こんにちは!

今回は、ジョルジョーネの《眠れるヴィーナス》についてです。

早速見ていきましょう!

眠れるヴィーナス

ジョルジョーネ《眠れるヴィーナス》1508-1510年頃

西洋絵画史上初の「横たわる裸婦」

西洋絵画史上初めて、大画面で「横たわる裸婦」を描いた作品でした。

それまでも裸体のヴィーナスは描かれていましたが、一般的には立ち姿でした。

ただ、15世紀末、婚礼用の衣装箱の内蓋に「横たわるヴィーナス」が描かれたものが流行しており、そこからアイデアを得たのではと考えられています。

さらに、ヴィーナスなど神話の登場人物を描く場合、その神話の名シーンを描くのが通常でしたが、ジョルジョーネは、特定の物語の場面を描いていないことも斬新でした。

結婚記念の絵

この絵の最初の所有者はヴェネツィアの貴族ジエローラモ・マルチェッロでした。

この絵が完成する少し前に結婚していることから、彼の結婚を記念して作られた絵だと考えられています。

この絵以降、寝室に飾る結婚記念の絵として「横たわるヴィーナス」が描かれるようになりました。

ティツィアーノが完成させた

ジョルジョーネは1510年に30代半ばで亡くなってしまうので、彼の死後、ティツィアーノが風景や空を描いて完成させています。

背景の風景は、ヴィーナスの身体のラインをなぞるように描かれており、自然との一体感を演出しています。

ちなみにヴィーナスの足元には、当初キューピッドが描かれていました。

これは、結婚の宴を忘れて眠りこけるヴィーナスを起こしに行くという、古代の詩の一節を描いたものだと考えられています。

後にキューピッドは塗りつぶされています。

この絵に衝撃を受けた画家たちが、自分流の横たわるヴィーナスを描いていきます。