この世で1番有名な音楽家オルフェウスを超解説!見るなのタブー

こんにちは!

今回は、ギリシャ神話に登場する偉大なる音楽家オルフェウスを解説します。

早速見ていきましょう!

オルフェウス(オルペウス、オーフュース)

エドワード・ポインター《オルフェウスとエウリュディケ》1862年

ギリシャ名:オルペウス、ローマ名:オルフェウス、英語名:オーフュース

アトリビュート:竪琴

旅する英雄オルフェウスは、この世で最も有名な音楽家です。

その歌の美しさに石さえも涙を流し、木々は揺らぎ、動物たちはため息をついたといわれています。

特別な竪琴

シャルル・ジャラベール《オルフェウスの歌を聞くニンフ》1853年

オルフェウスはトラキアの若き王子でした。

その歌声のえも言われぬ美しさでギリシャ中を虜にし、あらゆる生き物を感動させました。

音楽の神アポロンは、噂を耳にして歌を聞きに行ったところ、あまりの素晴らしさに感動し、所有する楽器の中で最も最上のものを贈ることにしました。

赤子だった頃のヘルメスが作り上げた7本の弦の竪琴です。

9人のミューズたちの1人を母に持つオルフェウスは、これを9本に増やし、肌身離さず持っていました。

美声のセイレーンより美声

オルフェウスは旅する英雄でもあり、金羊毛を探すイアソンの旅にも同行しました。

アルゴ号では歌を歌って漕ぎ手たちのリズムを取っていたので、「漕ぎ手のリーダー」と呼ばれていました。

…あまり役に立っていないと思うかもしれませんが、そんなことはなく、セイレーンたちに襲われたときは、乗組員の命を救って手柄を立てました。

セイレーンは、美声で船乗りを魅了し、海に引きずり込んで食べる怪物です。

しかし、セイレーンの美しいメロディーをもうわまわるオルフェウスの歌声に、セイレーンも歌うのをやめ、おとなしく耳を傾けたそう。

最愛の人を探しに冥界へ

ヤン・ブリューゲル(父)《地獄のオルフェウス》1594年

オルフェウスは、エウリュディケという名のドリュアス(樹木の精霊)を深く愛していました。

しかし婚姻の日、エウリュディケは蛇に噛まれて命を落としてしまいました。

絶望したオルフェウスは、彼女を探しに冥界へ行き、甘い旋律で番犬ケルベロスを眠らせると、非情な冥界の王ハデスのもとへと向かいました。

オルフェウスの音楽を耳にしたハデスは、感動に打ち震え、石のような心が和らいだかと思うと、初めての涙、鉄の涙を流しました。

後ろを振り返ってはならぬ

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《黄泉の国からエウリュディケを連れ出すオルフェウス》1861年

オルフェウスの音楽に感動して涙を流したハデスは、特別にエウリュディケを連れて帰ることを許可しました。

ただし、1つだけ条件がありました。

それは、エウリュディケの亡霊を見たくても、地上に出るまでは決して振り向かないことでした。

オルフェウスは、おののきながら振り返らずに冥界の出口へと向かいましたが、足音が聞こえてきません。

エウリュディケは本当についてきているのか、置いてきぼりになっていないか心配でたまらなくなり、冥界から出る瞬間、思わず肩越しにちらりと振り向いてしまいました。

不幸なエウリュディケは、泣きながら永遠に消えてしまいました。

八つ裂きと再会

ギュスターヴ・モロー《オルフェウス》1865年

ディオニュソス信仰がテッサリアに伝播すると、オルフェウスは崇拝を拒否し、巫女の行っていた人身御供を批判し、自らの宗教を広げました。

すると、怒った巫女たちは彼を八つ裂きにしました。

のちに頭部が見つかり、レスボス島で大切に保管されたといわれています。

そしてオルフェウスは、ついに冥界で最愛のエウリュディケと再会し、幸せに暮らしました。

初期のオペラの題材に

オペラの歴史上、初の名作は、オルフェウスに捧げられたものでした。

1600年頃、ヤコポ・ペーリは、史上初のオペラとされる『エウリディーチェ』を書き、その7年後の1607年には、モンテヴェルディが『オルフェオ』を作りました。

オルフェウスとエウリュディケの物語は、ハイドンやグルックにもインスピレーションを与え、1858年にはオッフェンバックによるパロディ 『地獄のオルフェ』が発表されました。

オルフェウス信仰

ギリシャでは、紀元前6世紀頃にある宗教の一派が出現し、非常に重要な位置を占めたことから、キリスト教の先駆的宗教と考えられています。

この一派は、オルフェウスを信仰し、ギリシャの社会と宗教に異議を唱え、人間の魂は不滅で、生まれ変わるよう定められているが、秘密の儀式を行えば、神々の国へ戻れると信じていました。

彼らは誰かがなくなると、オルフェウスのように、冥界から死人を助け出し来世を生きることができるよう祈りを唱え、儀式を執り行っていました。